モメラスを踏まぬこと

天文学者の夫と1年限定のチューリッヒ生活

モメラスを踏まぬこと

バレエ旅 in パリ・ロンドン | 悲劇の火災から10ヶ月。パリ・ノートルダム大聖堂の今

何度か書いていますが、私がどこかを旅行するとき、そのタイミング何らかの(自分にとってはかなり重要な)観光スポットが、いろいろな事情で閉鎖されている確率がかなり高いです(笑)。予め承知している場合もあれば、行ってみて初めて知ってショックを受けることもあります。それでも…プラハの天文時計がブルーシートで覆われていても、ザンクトガレンの図書館が改修中でもブタペストのオペラ座に足場がかかっていても、ウィーンの楽譜店が2回連続臨時休業でも、ロンドンのビッグベンが工事中(←new!)でも、「いつかまた来よう」とポジティブに考えることにしています。

 

でも、昨年の4月、ノートルダム大聖堂の火災のニュースを聞いたときには、仕事もレッスンも手に付かないくらいにショックを受けました。

www.bbc.coms

小学生の時に、ヴィクトル・ユゴーの小説「ノートルダム・ド・パリ」を原作とするディズニーアニメ「ノートルダムの鐘」のビデオを観て以来、それが自分の中のBest of ディズニーとなり、アニメ版(日・英)とブロードウェイ版サウンドトラックをオケパート含めて(笑)ぜんぶ歌えるくらいには大好きな作品。劇団四季での上演が決まったときには狂喜乱舞でした。自分たちの結婚式はバラ窓のステンドグラスが綺麗なチャペルを選んで、入場や披露宴のBGMもサウンドトラックを編曲。正直、パリはノートルダム大聖堂にさえ行ければ他はどうでもいいと思っていました。※行ってみたらめちゃくちゃ楽しかったのでこの認識は大幅修正されました

そんな熱い思い入れのある場所が、一夜にして無残な姿に変わり果てた事実を、しばらく受け入れられずにいました。「スイス移住を待たずもっと早く旅行していればよかった」と、意味のない後悔の念を心のどこかに抱えながら、改修にかかる年数を様々に推測する記事を読む日々が続きました。そして気づけば火災から10ヶ月。ノートルダム大聖堂とはまったく別のきっかけでパリへと足を運んだのでした。

 

 

遠くから眺めてみる

現在はノートルダム大聖堂の建物内に入ることはできませんが、周辺から様子を伺うことはできます。パリのホテルへ到着したのが、日本から来る友人たちとの合流時間の1時間半前だったので、気合いで行きました。

ノートルダム大聖堂の周辺にはいくつもメトロの駅があるので、どこからでもアクセスはしやすいと思います。私は9区からメトロを乗り継いで、パリ市庁舎(Hôtel de Ville)駅で下車。セーヌ川を挟んで北側からノートルダム大聖堂に近づいていきました。

方向音痴が災いしてかなり遠回りしてしまいましたが、パリ市庁舎前の広い通りを歩くことができました。

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パリ市庁舎

ちなみに駅に着いたときからBGMはこれ(笑)


The Bells Of Notre Dame

ザ・ベルズ・オブ・ノートルダム

ザ・ベルズ・オブ・ノートルダム

  • Patrick Page, Jeremy Stolle, ウィリアム・マイケルズ, The Hunchback of Notre Dame Ensemble & The Hunchback of Notre Dame Choir
  • サウンドトラック
  • ¥255
  • provided courtesy of iTunes

 

このあたりの建物や街並みもとても好きな感じだったのですが、時間が迫っていたので素通りしてしまいました。

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夕焼けが綺麗でした

市庁舎の端に着く前に、思った以上に唐突にその姿を見つけました。本物だ…

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左に見える細長い建物が双塔部分

建物の特に消失が激しかった部分は、手前の建物に隠れていてまだ見えません。このときから半泣き気味で(笑)足早に向かいました。アルコル橋(Pont d'Arcole)でセーヌ川を渡って、大聖堂のあるシテ島へ。

できる限り近づいてみる

物語の主人公の名前を冠したレストランを通り過ぎます。

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カジモド!

ついに、映画で何度も何度も観た大聖堂の現実の姿を目の当たりにしました。

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ここに来ることを20年近く夢見てきて、ついにそれが叶いました。今までにたくさんの国を訪れて美しい建物や芸術にたくさん感動してきましたが、ここだけは期待の桁が違いました。ついに実現してこんなに幸せなことは無いはずなのに、日の暮れた曇り空にそびえるノートルダム大聖堂バリケード越しに見上げて、やり場のない悲しみでいっぱいになりました。私がどんなに願っても、技術がどれだけ発展していても、世界中から復旧支援が集まっても、前の姿を見ることは二度と叶わないのだと、当たり前の現実を改めて突きつけられた気がしました。

周囲を散策して見えたもの

悲しみに打ちひしがれたアジア人が何十分も立ち尽くしていると周りの人を心配させてしまうので(笑)、なんとか気を奮い立たせて周辺を歩いてみることに。

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真下から見ると迫力がすごい

双塔部分は一見無傷のように見えますが、中が黒く煤けています。ここから左手方向に、建物に沿って通りが続いています。こんな状態でもひと目見ようと、その通りは観光客で賑わっています。

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足場やクレーンがかかっていて作業真っ最中

側廊部分は足場がかかっている箇所が多く、隙間からもとの姿を想像することしかできません。ところどころ新しい木材が建てつけられている箇所もあり、「結構修復が進んでいるね」と話している人もいました。

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ステンドグラスは焼け落ちています

こちらにはヒロインの名前のレストラン。

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エスメラルダ!

そして、建物を囲むバリケードには、被害の状況と修復の道のりを伝えるパネルが展示されていて、皆がじっくりと読んでいました。

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時間が無くて私はほとんど素通りしてしまったのですが、写真と文章からは、ノートルダム大聖堂に思いを寄せるパリ市民と、世界中の人たちの「悲しみに暮れている場合じゃない」という力強い意志のようなものを感じました。読みながら涙している人もいましたが、道行く人たちからは確かに希望も感じたのです。

小雨が降り出した帰り道、悲しみと希望と安堵が入り混じった複雑な心境でノートルダム橋を歩いていると、セーヌ川にかかる橋や周辺の建物が一斉にライトアップされはじめました。

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ライトアップされるシャンジュ橋

ちょうど18時になるタイミング(といっても17:57くらい笑)でした。薄暗い街並みが突然暖かい光に彩られて、なんだか自分を励ましてくれているような気がしました。このとき初めて、「パリってなんて美しいんだろう」と心から感じたのでした。

セーヌ川から

後日、友人たちと乗ったセーヌ川のクルーズ船からも、ノートルダム大聖堂の姿を見ることができました。

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初日に見られなかった南側の面の様子を全体的に眺めることができます。

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途中、大聖堂の脇に立つ大きなクレーンで作業している人の姿が。思わず心のなかで「ありがとうありがとうめっちゃありがとうございます」と唱えていました。

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復旧作業を進めている作業員に感謝

実は、4月の火災前の大聖堂は、「ノートルダム・ド・パリ」の舞台となっている15世紀から続く姿ではなく、19世紀に発表されたユゴーの作品をきっかけに、廃墟同然の状態から当初の姿になるべく近づける形で復旧されたものです。長い歴史を持つ建造物が、時代とともに時には破壊され、変化していくのは避けられない現実。だからこそ、ノートルダム大聖堂の再建を願う人々の思いの強さは、19世紀当時も今も変わらないと思います。

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そしてしっかり宣伝(笑)。


Making of "The Hunchback of Notre Dame" Studio Cast Recording

 

 

 

バレエ旅 in パリ・ロンドン | 来日公演も間近!パリ・オペラ座バレエの「ジゼル」鑑賞

オペラ・ガルニエツアーに続くバレエ旅の最大イベント、「ガルニエでバレエ鑑賞」!実現までは(主に精神的に)長い道のりがありました。

 

 

ストライキが続くパリ

バレエ旅が始まる直前にパリの交通機関ストライキはほぼ解消したものの、パリ・オペラ座のダンサーやスタッフによる年金改革への抵抗は続いており、1月末から公演が始まった「ジゼル」も初回のみ上演されて以降はキャンセルという状況。

さすがフランス、と一言で片付けてしまえばそれまでなのですが、バレエの身体への負担やダンサーというキャリアの過酷さを少しでも身近に感じていると、彼らが現政権の年金改革を頑に拒絶する心情も理解できる気がしてきます。

biz-journal.jp時代の変化に応じて社会保障の形が変わっていくのはやむを得ないと思いますが、この400年近く続く年金システムが、世界最高峰と言われる芸術作品を生み出し続けるパリ・オペラ座バレエの支えになっていることは確かです。ダンサーたちの働きかけは応援したいと思いつつ、でも公演は観たいという複雑な心境でこの旅を迎えていました。

祈りの結末

「ジゼル」は、19世紀半ばにこのパリ・オペラ座バレエによって初演されたロマンティックバレエの代表作。それをオペラ・ガルニエで観ることは、バレエを愛してやまない私たちにとってとても大きな意味を持ちます。

午前中の見学ツアーで舞台裏を巡った際、大道具がセットされているから上演されるはずだとか、舞台で誰も練習していないからキャンセルかもとか、期待と不安の憶測が飛び交っていました。

その日の昼過ぎの回はキャンセルされ、気持ちが落ち着かないままパリ散策をして過ごし、開演の2時間前。ついに情報が入ってきました。上演決定!!その場にいた友人と抱き合って喜びました(笑)

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念願!

ついに開演!

午前中に初めて足を踏み入れたオペラ・ガルニエへ再び。1階席なのでみんなでそれなりにドレスアップして気持ちを高めます。(実際はそこまでドレスコードは厳しくない印象でした。ジーンズやスニーカーなどカジュアルすぎる服装さえ避ければ良さそうです)

エントランスでチケットを見せた後、大階段付近でプログラムを販売しています。フランス語が12€、英語版は24€(!)。終演後も購入できます。

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プログラムは写真も充実しています

クロークにコートを預けた後は各々がロビーでシャンパンなどを楽しんでいました。

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パリオペジゼルの見どころ:1幕

ここからパリ・オペラ座バレエが演じる「ジゼル」の魅力(※個人の感想)をあらすじに触れながら紹介します。

あらすじはこちら

大道具が美しい

1幕の舞台となるのは、ジゼルが暮らす山間の村。


Giselle by Jean Coralli / Jules Perrot (Dorothée Gilbert & Mathieu Ganio)

ジゼルやヒラリオンが出入りする茅葺き屋根の家々が丁寧に作り込まれています。前の方やサイドの席だと部屋の奥の雰囲気まで伺えるので注目です。

健気なジゼルがかわいい

心臓が弱く、母親から踊るのを止められているジゼルですが、恋するアルブレヒトと一緒にいるとついつい身体が動いてしまいます。母親の目を盗んでアルブレヒトへの想いを寄せる様子は愛らしく、(結末を知っていると)同時に切なくもあります。ここでのパ・ド・ドゥとそれぞれのヴァリエーションはこの作品の大きな見どころの一つです。

真実を知ったジゼルの狂気

あらすじを読んでいただければわかりますが、爽やかなイケメン青年アルブレヒトの正体は、貴族の身分と婚約者バチルド姫の存在を隠して病弱なジゼルの恋心を弄ぶという絵に描いたようなクズ男です。1幕の終盤、ジゼルとアルブレヒトとバチルド姫の三者ご対面(笑)という最悪な形で、ジゼルはその真実を知ることとなります。その瞬間から彼女の心臓が鼓動を止めるまでの間、今までの愛らしい姿とは似ても似つかない青白い顔とボサボサの髪を振り乱して踊り狂う様子は衝撃的です。

パリオペジゼルの見どころ:2幕

2幕の舞台上にあるのは大きな十字架。ジゼルのお墓です。ジゼル含め、この後登場する女性はすべて死後の姿(ウィリ)です。

ミルタのパドブレ

超ピンポイントな場面指定ですが(笑)、目を離せない見どころです。2幕冒頭、ウィリの女王ミルタの登場シーン。


Giselle by Jean Coralli / Jules Perrot (Hannah O'Neill)

「パ・ド・ブレ」とは、動画の32秒あたりに出てくる動きのことです(動画は登場シーンとは別の場面です)。簡単そうに見えますが、上半身を動かさずに細かい足さばきで移動するのが実は結構大変なのです。

この日の公演のミルタ役も、そして来日公演の予定キャストも、動画と同じオニール八菜さん。彼女のパ・ド・ブレは、まるでベルトコンベアーに運ばれているかのように(例えが悪い…笑)優雅で美しいものでした。

幻想的なコール・ド・バレエ

私が「ジゼル」という作品の中で特に好きなのが、2幕のコール・ド・バレエ(群舞)のシーンです。真っ白なロマンチックチュチュを纏ったウィリたちが切なげな表情で、静かに力強く踊ります。


Giselle - Act 2, the willis - Adolphe Adam (Opéra de Paris)

※動画は3年前のバージョンです

コール・ド・バレエの醍醐味は、30人近いダンサーたちの息のあった踊り。正直今回は、連日のストライキの影響で本調子ではないのかも…?と感じる場面もありました。が、幻想的な美しいシーンであることは間違いありません。

男たちへの制裁(笑)

ジゼルのお墓参りに来たクズ男は、冷酷なミルタによって文字通り死ぬほど踊らされます。どんなにクズでも、演じるダンサーの技術は最高。男性ダンサーならではの超絶技巧をたっぷり観られると同時に、ジゼルやバチルド姫を裏切ったクズ男が疲弊してズタボロになっていく姿にちょっとスッキリします(酷)。

ただ、この作品で最もかわいそうなのは、もう一人ジゼルに思いを馳せていた男性、ヒラリオン。彼はアルブレヒトの真実に気づきジゼルに警告をしていたのに相手にされず、ジゼルの死を悼んで真っ先にお墓参りに来たのにウィリたちに踊り殺され(??)ます。理不尽すぎてびっくりしますが、彼がウィリに振り回されながら踊るタイトルも素晴らしいので注目です。

 

 

2幕が始まるやいなや泣き始める友人もいて(笑)、終演後はみんな興奮状態で感動を共有していました。いろいろな懸念材料はありますが、この感動を日本公演でもぜひ届けてほしいと願ってやみません。

 

バレエ旅 in パリ・ロンドン | シャガールの天井、怪人が潜む地下湖…オペラ・ガルニエの魅力

今回のパリ滞在、テーマは「バレエ旅」!フランスにおけるバレエの長い歴史を支えてきたオペラ座」ことオペラ・ガルニエが最重要目的地です(笑)。

この日の夜に、私たちはパリ・オペラ座バレエの「ジゼル」鑑賞を控えていました。しかし日本のニュースでも取り上げられていた通り、バレエ団とオーケストラが年金改革に対するストライキの真っ最中。

www.jiji.com公演が行われるかどうかは直前までわからず、ただ祈るような気持ちでオペラ座見学をしていました。その不安が写真にも現れて終始ブレ気味ですが(笑)、150年近い歴史を持つ豪華絢爛なオペラ・ガルニエの様子をお伝えします!

 

 

9区の南端にそびえる巨大な劇場

パリの有名百貨店「ギャラリー・ラファイエット」や高級ホテルが並ぶゴージャスな一角(その中にユニクロもあります!笑)で、ひときわ存在感を放つのがオペラ・ガルニエです。

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曇天すぎて背景真っ白(笑)

裏口にも秘密が

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かつてのVIP用エントランス

ツアーは裏口の地上階から始まりました。少し開けた広間から、放射状にドアが続いています。ここは、かつてVIP専用のホワイエ・エントランスとして使われていた空間だそうです。

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よく見るとある文字が…?

憧れの大階段!広間はキラッキラ

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大階段は常に誰かの撮影タイム(笑)

正面に回ると、有名な大階段が目の前に!シャンデリアや柱、天井の重々しい装飾にも目を奪われます。

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ナポレオンと同じ空気を吸っている気分になります

憧れの場所で写真を撮れて、大きな夢を一つクリアしました(笑)。

さらに、階段を上がった先の広間が驚きのゴージャスさ!

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ぜんぶゴールド!

壁の所々に大きな鏡があり、シャンデリアの光がそこに映り込んで空間がさらに広く感じます。浮世離れしたきらびやかさにしばし絶句。

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ナポレオンいそう(2回目)

天井の色鮮やかな宗教画も、金の装飾の中で引き立ちます。

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ゴールドとの色合いが美しい

ところどころに見られる4色の宝石の絵はダイアモンド・サファイア・ルビー・エメラルドを表しており、ナポレオン3世による第二帝政の権威と富を主張しているとのことです。ただし、ナポレオン3世はこの完成を待たずに没しており、ガルニエ宮は政治的権威とは無関係の建造物という立場をとっています。

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ナポレオンはいなかった…

 

ホールの天井にはシャガールの絵

ついにホールの中へ。そこには息を呑む美しい光景が待っていました。

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客席最前列あたりから

深みのあるゴールドの装飾とワインレッドの客席が美しい曲線を描いて舞台を見下ろします。(ヴェルサイユ宮殿がナショナルカラーの青を多用しているのに対し、ガルニエ宮のテーマカラーはワインレッドだそうです)

そして特に目を引くのが天井。1964年に取り付けられたシャガールの絵画が、ホールに鮮やかさと新鮮な印象をもたらしています。ダンサーやオーケストラ、エッフェル塔凱旋門など、シャガール本人がパリの風景から得た着想が壮大に表現されています。

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どこかにシャガール本人がいます

この絵の1mくらい上に、元の天井もそのまま残っているとのこと。以前の状態ちょっと見てみたかった。

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オーケストラピットが近い

舞台は緞帳の手前に板がかかっていました。ガイドさんが「きっと今夜の公演の準備をしている」と励ましてくれました(笑)。どうか上演されますようにと、舞台に向かって拝みました。

ちなみに各座席には番号が割り振られていて、番号の下に小さな窓がついています。

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これは一般に売られている席

ここに「ABONNE」と書かれている席は、定期購買で誰かが確保している指定席だそうです。オペラ座の1階席を定期購買なんて憧れます(笑)。

地下には怪人の池…?

ここまで豪華絢爛なオペラ・ガルニエ内部の様子をお伝えしましたが、私が最も衝撃を受けたのは、一般に観覧客が訪れることはない地下の様子です。

日本でも大人気のミュージカルオペラ座の怪人」の舞台となったと言われるオペラ・ガルニエ。劇中ではヒロインのクリスティーヌが、怪人に連れられて地下の水路を渡り、彼の棲家へと誘われるシーンが描かれます。


The Phantom of the Opera

「脚本が建物を忠実に描写しているとはいえ、大半は所詮フィクションだろう」と斜に構えていた私ですが、この地下に足を踏み入れた瞬間から「あ、これは怪人住んでたわ」と信じざるを得なかった(笑)くらいには、そこに広がる光景は印象的でした。

撮影NGなので具体的な説明ができませんが、端的に言うと、オペラ・ガルニエの地下には本当に湖があります。(「建築上の安定のため」らしいですが、なにがどう「安定」するのかはガイドさんも知らないとのこと笑)。そしてそこに、なにかがいます。

 

 

このツアーの数日後、ロンドンでミュージカル「オペラ座の怪人」を鑑賞しました。我ながら最高な旅程だったと感心します(笑)。

バレエを愛する方、パリ最盛期のきらびやかな建築を堪能したい方、オペラ座の怪人の存在を確認したい方…フランスに来たらぜひ訪れていただきたい、オペラ・ガルニエの紹介でした!

バレエ旅 in パリ・ロンドン | 「repetto」本店でポアント選び!

 

バレエ好きがパリと聞いてまず思い浮かべる(?)のが、バレエ用品とシューズの老舗店、repetto!銀座の旗艦店はじめ、今や日本でも多くの店舗を構えており、バレエシューズや革製品のブランドとしてバレエ民以外の方にも人気だと思います。そんなrepettoのパリ本店の魅力をまとめました。

 

 

オペラ・ガルニエのすぐ近く

本店は地下鉄Opéra駅が最寄り。パリ・オペラ座こと「オペラ・ガルニエ」から歩いて5分ほどの通りに店舗があります。

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ゴールドの「r」が目印

ディスプレイがかわいすぎる

大きな通りに面していて、遠くからでもディスプレイが目立ちます。見ている方が照れるくらいかわいいのです(笑)。

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ショーウィンドウいっぱいにチュチュとシューズ

店内の構造や雰囲気は銀座店と同じ感じです。日曜日のお昼時でしたがお客さんは少なく、私たちが色々と物色するのを丁寧に相手してくださっていました。お教室の仲間+先生7人というバレエ愛溢れるメンバーで入店したので、店員さんたちをいきなり忙しくさせてしまったと思います(笑)。

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サイドには革のバッグが並んでいます

1階は既製の革製品とポアント

入店してまず目に入るのは、豪華なシャンデリアの下に並ぶ、形も色も様々なシューズのディスプレイ。 壁際にはバッグや財布などの革小物もあります。

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既製品のシューズがお洒落に並んでいます

「試着だけでも」と気軽にサイズを試させてもらえます。やはり人気なのは定番のバレエシューズ。特にパリは(スイスと比べても)石畳がデコボコしていて歩きにくい気がするので、ヒールがない、もしくは太いタイプの需要が圧倒的に高いのだと思います。

この背後にあるのがポアント(トウシューズ)コーナー。壁一面のポアントとゴールドの梯子やバーが素敵です。

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フィッティングスペーズも広々

フィッティングしたいと伝えるとスタッフが一人ついて、足の形や現在履いているメーカーなどに基づいて合いそうな型を出してもらえます。ストッキングやトウパッドも貸してもらえますが、トウパッドは自分が普段使っているものを持っていったほうが感覚を掴みやすいです。履き心地を伝えながらサイズや型を調整していきます。

私は今履いているメーカーで特に困ってはいない(困るほど履いてない笑)ものの、新たな発見もあるかもしれないと一足買ってみるつもりでいました。価格は日本で買うより少し安い程度です。

が、全部履いても自分の足の形に合う型が無い。今使っているメーカーとあらゆる仕様が違うので想定内でしたが、先生からのアドバイスで、立ったラインがいちばん綺麗に見える型を調整(=ボックスを叩き潰す)して履いてみることにしました。

2階はセミオーダー靴とバレエ用品

2階にもバレエ好きにはたまらない世界が広がります。

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レッスンウェアやバレエシューズ、バッグなどなど

バレエやヨガなどのダンスウェア、通気性の良い素材のバッグ、シューズなどダンス用品が揃っています。ディスプレイがいちいちかわいいので大変です(笑)。

レッスン用のバレエシューズも種類が豊富で、試着も気軽にさせてもらえます。指の付け根(ドゥミで立つ部分)の生地が厚くて好みが分かれそうですが、革からメッシュまで素材も様々で、お気に入りの一足が見つけられると思います。この時新作で出ていた型は衝撃のフィット感で、みんなが履き心地に一足惚れしてお買い上げになっていました(笑)。

奥にあるのが普通のシューズのセミオーダーコーナー。基本の形をベースに、生地やリボンの色・素材を一つずつ選んでいくのはなんとも幸せそうでした。生地のランクやチャームを付けたりすることで少しずつ課金されていきますが、それでも日本で購入するよりはだいぶお手頃になるようです。完成には数週間かかるので、日本の住所まで届けてくれるとのこと。今回は友人が徐々に課金していく様子を背後から眺めていただけでしたが、次行ったときにはたぶん自分もオーダーしていると思います(笑)。

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スタッフさんのアドバイスを受けながら、素材を一つ一つ決めていきます

日本語対応ありで安心!

フランスといえばフランス語しか話してくれない、というイメージを抱いていたのですが、repettoのスタッフの方々は英語どころか日本語対応も完璧でした!セミオーダーやポアントのフィッティングとなると、細かい好みや履き心地を伝える必要があるのでとてもありがたいです。普段から日本からの来客が多いのか、日本人スタッフの方が1~2名常駐されているようでした。

お店を出るときには、怒涛のバレエシューズ試着(笑)を担当していた店長らしき方(おそらくフランス人?だけど日本語堪能) が「とても気持ちよく接客させていただきました」とわざわざ挨拶に来てくださいました。

 

店内どこを見てもかわいくて、バレエの美しい世界を凝縮したような空間で、スタッフの皆様の対応も丁寧で、気をつけないと何時間でも居てしまえます(笑)。無事にポアントも手に入って、とても幸せな時間でした!

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はじめまして、カルロッタ!

バレエ旅 in パリ・ロンドン | 旅の始まり

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 今日から9日間、チューリッヒを離れます!

行き先はパリとロンドン。ヨーロッパの中でも王道中の王道ですが、中東欧ばかり狙い続けていたので(笑)両方とも初めてです。

 

ストライキ終わりたて(?)のパリと、EU離脱したてのロンドン。1年ほど前に企画を始めたときには思いもよらなかった状況ですが(笑)、そんな激動の街での滞在を楽しんできたいと思います。

ブログはしばらくお休みですが、Twitterはこまめな更新を目指します。

街の様子を写真とともにお届けしますのでぜひご覧ください…!