モメラスを踏まぬこと

天文学者の夫と1年限定のチューリッヒ生活

モメラスを踏まぬこと

週末旅行、St. Gallen編 | 星降る街の修道院

ハワイからの気温の急降下にやられて風邪を引きました。笑

寒い上に乾燥レベルが日本の比じゃないスイスの冬は厳しいですが、私にとってはヨーロッパでクリスマスシーズンを過ごす最初で最後のチャンスです。ということで、この1ヶ月間は主に週末を使って各地のクリスマスマーケットを巡ります!

 

最初に選んだ街は、チューリッヒから東へ90km、ドイツ国境と接するザンクトガレン(St. Gallen)!電車で片道1時間ちょっとなので、日帰り旅行で十分に楽しめます。

 

今回もSBBのチケット購入アプリが大活躍です。半額パスを持っていると定価でも片道15CHFとそこまで高くはないですが、アプリで出発直前に時間指定のチケットを探すことで、往復それぞれ半額くらいで購入できました。

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旧市街へ

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駅前広場

10時過ぎに到着。駅前はあまり人通りは多くありません。メインの観光エリアであるザンクトガレン修道院とその周辺の旧市街には歩いて5分ほどで行けますが、バスも通っているようです。

 

ここから先の旧市街エリアでは、頭上にこのような星型の電飾が連なっています。

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旧市街の入り口

これが夜になると

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こうなる

まるで夜空の星が手の届きそうなところまで降りてきたかのように、電飾がライトアップされます。この光景からクリスマスシーズンは「星の街」と呼ばれ、各地から観光客が訪れます。クリスマスマーケットについては別の記事で詳しく紹介します!

 

歴史あるバロック様式修道院

旧市街の中はすでにヒュッテが開いていて、多くの人で賑わっていました。

さらに5分ほど歩くと、世界遺産に登録されているザンクトガレン修道院があります。敷地内に建つ大聖堂も夕方までは観光客も自由に出入り可能です。格式高いバロック様式の内装と、後方にある巨大なパイプオルガンは圧巻です。

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奥まで庭が広がっています

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反対側から

大聖堂の横に建つ大きな(大聖堂が巨大すぎてあれですが、こちらも相当なサイズです)クリスマスツリーは、夜になったら灯りがつくものと期待していたのですが、19時まで待って暗いままでした。笑

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たぶん、街でいちばん大きなツリー

図書館へは到達できず(涙)

ザンクトガレンに来たらぜひ訪れたいのが、修道院の附属図書館です。「美女と野獣」の野獣の屋敷のような、繊細かつ豪華絢爛なロココ様式の美しい建物です。

st.gallen-bodensee.ch

しかし、いざ入り口へ足を運んでみると、なんと閉鎖中でした(笑)チケット売り場の人に尋ねると、10日後にオープンするとのこと。事前に調べて承知していることもありますが、我々の旅行にはこういう悲劇が多いです。

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Libraryはclosed/(^o^)\

ショックでしたが、チケット売り場の建物に入ったところにあるフォトスペースで雰囲気だけ堪能しました。この図書館のすごいところは、置いてある蔵書の大部分は閲覧(貸出も?)ができること。いつかリベンジしたいです。

ちなみにこのブログのカバー画像は、チェコプラハのストラホフ修道院にある図書館の「神学の間」で撮影したものです!こちらは撮影者用のチケットを買えば部屋の入口から写真を撮ることができますが、基本的に中には入れません。

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行った気になれるフォトスペース

修道院の地下の見学とエキシビションは利用できるそうなので、気を取り直して両方に入れるチケット16CHFを購入。ちょっと高いなあと思っていたのですが、実際に行ってみると興味深いコンテンツがとても充実していて、16CHF以上の価値があると感じました!

 

エキシビションも一見の価値あり

修道院そのものは7世紀からの長い歴史を持っていますが、現在の建物は18世紀に建てられたものです。地下の展示エリアでは、アイルランドから渡ってきた修道士ガルスによる設立から、修道士たちの写本によって受け継がれた文化、宗教改革の潮流の中でカトリックを維持した政治的背景など、修道院とその周辺の街の歴史が、かつてのゴシック様式の建造物の一部や蔵書などの展示に沿って語られます。ほとんどの展示物に日本語のガイドがついていたおかげで、撮影できないなりにいろいろと頭に詰め込むことができました(笑)

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左側に見える入り口の先がExibitinon Space

もう一つのエキシビションは新しく作られているちょっとした博物館のようなスペースで、設立者ガルスや後の宗教改革の動きの地理的な考察、写本・製本技術の紹介、かつての施設における修道士の生涯など、修道院における様々な内容を体験的に学ぶことができる素晴らしい展示でした。帰り際、「ここの学芸員は相当な待遇で大切にされているんだろうな」と夫がつぶやいていました。

 

まさかの図書館閉鎖で一度は意気消沈したものの、展示が予想外に楽しくて気分を持ち直しました。歩きながら頭もつかってお腹がすいたので、いよいよランチです!笑