モメラスを踏まぬこと

天文学者の夫と1年限定のチューリッヒ生活

モメラスを踏まぬこと

「計量カップ」は輸入禁止??悩ましいスイスへの配送事情 by SAL便

スイスに越してくる際、スーツケースだけではどうしても収まらなかった衣服などをSAL便で送りました。その荷物が今日、ようやく無事に届きました。

 

7月上旬、休職期間に入ってようやくアパート退去の準備と荷造りを本格的に始めると、持って行こうとしている衣類がスーツケースに収まらないことに気づきました(笑)。

1年前から、夫の帰国のたびにシーズンが終わった服をチューリッヒに運んでもらっていたのですが、直近まで日本で着ていた夏物は今回で持っていかないといけない。

追加料金で飛行機に乗せるにしても空港までの道のりが苦行すぎるので、ちょっと不安だけど送ることにしました。

荷造りに疲れて、調べる気力が湧かないほど思考停止していたので(笑)、近くの郵便局で配送方法の相談に乗ってもらうことに。

 

海外への配送方法は3通り

推定所要日数に応じて金額が異なります。

【船便】所要期間:1~3ヶ月 金額:安い
船でのんびり届きます。

SAL便】所要期間:1~3週間 金額:船便よりは高い

飛行機の預かり荷物の隙間に詰めこまれて輸送。陸地では船便と同じ扱い

【航空便】所要期間:3日~1週間 金額:高い

飛行機で優先的に輸送

www.post.japanpost.jp

 

私はさすがに3ヶ月は待ちたくないと思い、SAL便を選びました。

ただし、この所要期間はあくまで目安で、時期や目的地によって当然変動します。

大半のケースではこれよりかかると思っていた方が精神衛生上も良いです。

 

ちなみに、いずれの配送方法でも、住んでいる地域の管轄局によっては、自宅まで集荷に来てくれます。自分で持ち込むのであれば、管轄局でなくても受け付けてくれます。

 

指定の箱でなくてOK、ただし「無難」なデザインのもの

郵便局で配送用のダンボールを購入できますが、あまり大きいサイズはありませんでした。(送れるサイズや重量は、国によって定められているので要確認

窓口の局員さんいわく

ダンボールは指定のものでなくても送れます。ただし、国外に出るとその箱のデザインを見て検閲すべきかを判断されてしまうので気をつけて。例えば食べ物を想起させるイラストや単語が書いてあったり、動物の絵でも警戒する国もあります。開けて中身をひっくり返されることもあるし、最悪の場合日本に送り返されます。あまり相手を刺激しないでください(?)

その時、我が家の床に大量に転がっていたダンボールがこちら

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さる・・

「いや、大丈夫やろw」と夫には言われましたが、無駄に心配性モードだった私は念のため、より無難そうなダンボールを探すことにしました。

その結果、選ばれたのが

エリエール

トイレットペーパーの箱なので高さも十分あるし、何より見た感じが爽やか。なんならエリエールのロゴさえ(カタカナ知らなければ)ただの爽やかな柄にしか見えない

ただ、ひとつ心配だったのが、解体と組み立てを繰り返していたのか若干脆い

それでももう他に選択肢がなかったので、中のビニール袋を二重三重にして頑張ってもらうことにしました。

(この判断が後々危うい結果を招きます)

 

伝票の記入は正確かつ生活感を強調する

国内で宅配便を送る時と同様に、専用のラベルに必要事項を記入します。

  • 配送方法(船便/SAL便/航空便)
  • 依頼主の住所と電話番号(万一送り返された時のために実家などが良い)
  • 届け先の国名・住所・電話番号
  • 内容品の詳細
    中に入っているものを英語・フランス語・送り先で使われる言語のいずれかで記入する必要があります。
    「衣類」とだけ書くと商売目当てと疑われるような気がしたので、
    「Tシャツ、スキーウェア、バスマット」などなるべくバリエーションを持たせ(笑)、末尾に(Personal Use)とつけました
  • 内容品の個数
    項目ごとに個数を書かないといけないのかと一瞬迷いましたが、集荷に来てくれたお兄さんの「たぶんそこまでしなくても大丈夫」という言葉を信じ、総数だけ記入しました。(詰め込んだ後だったのでちゃんと数えていませんが、適当だと思われないように素数にしてみた)
  • 配送に失敗した時の対応
    不幸にも検閲に引っかかった場合の対処方法を
    依頼人に速やかに連絡 / 一定期間後に返送(期間も指定)  指定した住所に転送
    から選びます。その際の配送方法も安さ重視かスピード優先かを指定します。

より正確には日本郵政のページを確認してください。

www.post.japanpost.jp

 

謎の禁制品

送ることができる荷物のサイズや重量、追跡の可否、そして送ることができない禁制品など、細かい条件が国ごとに定められています。

知らずに禁制品を入れてしまうと、抜き打ち的に検閲されたときに返送されてしまうとのことなので、事前によく確認しておく必要があります。

www.post.japanpost.jp

武器や薬品、動植物、食材などはどの国にもほぼ共通してNGですが、スイスの条件を見ていると、いくつか独特な禁制品がありました。

「Croix-Rouge」(「赤十字」)の文字を有する物品

禁止するスイス人の心情がよくわからないですが、国旗だから仕方ないと思わなくもない。献血カードがアウトです。

液体計量器

スイス人にこの話をしたら「バカなの?」という反応でしたが、まあ物を測る基準て大事だから…?目盛りのついた容器は、見つかると返送または破棄されるらしいです。律儀に従ったおかげで、我が家には米の計量カップがありません。

 

以上、15.7kgで10,000円

 

いろいろ不安が尽きなかったSAL便、4週間弱経ってようやく到着!

インターホンの反応の仕方がわからず、6階の我が家から玄関まで駆け下りると、Tシャツ短パンのお兄さんが待っていました。伝票にサインすると「ありがと!じゃ!」と走り去るお兄さん。残された私は、16kgのダンボールを抱えて6階(エレベーターなし)まで、腰に限界を感じながら運びました。

 

さて、4週間ぶりに再会したエリエール。

ズタボロになっていました。

強度が不安だった側面が大きく歪み、角はちぎれていて、紙紐で補強。蓋は一度開けられたのか勝手に開いたのかは不明ですが、ビニールテープが張り直されていました。お手数をかけたみたいです。笑

それでも、幸い記憶の限りで失くなっているものもなく、大きな心配事がひとつ解消しました。