週末旅行、Genève編|CERN一般公開でATLASツアーにリベンジ!
CERN一般公開2日目。
前日はまさかの入場制限でATLAS敷地内にすら入れなかったので、今日は開場時間の9時には到着できるように向かいました。
しかし、ヨーロッパ人の朝の早さを甘く見ていました。
入場用のリストバンドを受け取ってATLASエリアへ向かうと、すでに入り口のすぐ手前まで行列が続いていました。
とりあえず並び始めると、
今から4~5時間待ちです!入れる保証はありません!
というスタッフの方々の切実な叫びが。ここはディズニーランドか何かなのか。
それを聞いて諦めて他のエリアへ向かう人もいましたが、大部分はおそらく私たちと同様、前日に入りそびれたリベンジ組。列はほとんど短くなりませんでした。
みんな座り込んで談笑したり朝ごはんを食べたり、トランプで遊び始める行列待ち玄人もいました。
日陰だったので待つのはそこまで苦ではなく、1時間ほどで列が大きく動き出しました。ついに入れる・・と思いきや、その先に大きいテントがあり、ポスター展示を見ながらさらに列に並びます。ディズニーランド形式です。
並んでいる時に、数物系のTシャツを着ている人をたくさん見つけました。CERNで売っているラグランジアンTシャツが一番多かった(2日間で50人は見た)ですが、各々のちょっとした素養アピールの場みたいになっていて(笑)見ていて楽しかったです。かくいう私たちも、それぞれ学生時代に関わった望遠鏡Tシャツをここぞとばかりに着ていきました。
追記:特に欲しくなったTシャツをまとめました笑
そんなこんなであっという間に順番が回ってきました。結果的に並んだのは2時間くらいでした。
ALICEツアー同様、10人弱のグループに対してガイドの方がついて案内してくれます。今回のグループは、私たち夫婦以外はもともとCERNでエンジニアや職員として働いていたようで、質問がだいぶ突っ込んだ話題になっていました。笑
地下の設備内を進み、ついに検出器を生で拝めます!
直径25mとALICEに比べてかなり大きく、正面から見られるようなスポットはありませんでしたが、その迫力に圧倒されました。
基本的なコンセプトはALICEと同じで、山手線サイズの円形加速器で加速された陽子(ALICEの場合は鉛などの原子核でした)を、強い磁場を発生させた検出器の中で衝突させ、崩壊によって生成する粒子の振る舞いを明らかにします。ノーベル賞で有名になったあのヒッグス粒子も、ここ(と向かいのCMS)でその崩壊過程が検出されたのです。
表面に見えている黄土色の板の集まりは、陽子の進行方向に蓋をするように置かれていて、ミューオンという粒子の通過を判定します。日本の実験グループが大きく貢献している検出器の一つです。
ツアーはたっぷり1時間弱続き、大満足の内容でした。
ツアー後、このイベントを紹介してくれた友人と4年ぶりに再会。
2日間で7万人以上の来場客が訪れたとのこと。
各種検出器ツアーの他にも、老若男女楽しめる様々な展示やイベントがあり、本当に一大テーマパークのようでした。
ヒッグス効果なのかヨーロッパ人の物理学への関心が高いのか、街全体で研究施設を支えているような空気があり、少し羨ましかったり。
スイスにいる間に来ることができて、良い思い出になりました!
あとは夜までジュネーブの旧市街散策です。