バレエ旅 in パリ・ロンドン | シャガールの天井、怪人が潜む地下湖…オペラ・ガルニエの魅力
今回のパリ滞在、テーマは「バレエ旅」!フランスにおけるバレエの長い歴史を支えてきた「オペラ座」ことオペラ・ガルニエが最重要目的地です(笑)。
この日の夜に、私たちはパリ・オペラ座バレエの「ジゼル」鑑賞を控えていました。しかし日本のニュースでも取り上げられていた通り、バレエ団とオーケストラが年金改革に対するストライキの真っ最中。
www.jiji.com公演が行われるかどうかは直前までわからず、ただ祈るような気持ちでオペラ座見学をしていました。その不安が写真にも現れて終始ブレ気味ですが(笑)、150年近い歴史を持つ豪華絢爛なオペラ・ガルニエの様子をお伝えします!
9区の南端にそびえる巨大な劇場
パリの有名百貨店「ギャラリー・ラファイエット」や高級ホテルが並ぶゴージャスな一角(その中にユニクロもあります!笑)で、ひときわ存在感を放つのがオペラ・ガルニエです。
裏口にも秘密が
ツアーは裏口の地上階から始まりました。少し開けた広間から、放射状にドアが続いています。ここは、かつてVIP専用のホワイエ・エントランスとして使われていた空間だそうです。
憧れの大階段!広間はキラッキラ
正面に回ると、有名な大階段が目の前に!シャンデリアや柱、天井の重々しい装飾にも目を奪われます。
憧れの場所で写真を撮れて、大きな夢を一つクリアしました(笑)。
さらに、階段を上がった先の広間が驚きのゴージャスさ!
壁の所々に大きな鏡があり、シャンデリアの光がそこに映り込んで空間がさらに広く感じます。浮世離れしたきらびやかさにしばし絶句。
天井の色鮮やかな宗教画も、金の装飾の中で引き立ちます。
ところどころに見られる4色の宝石の絵はダイアモンド・サファイア・ルビー・エメラルドを表しており、ナポレオン3世による第二帝政の権威と富を主張しているとのことです。ただし、ナポレオン3世はこの完成を待たずに没しており、ガルニエ宮は政治的権威とは無関係の建造物という立場をとっています。
ホールの天井にはシャガールの絵
ついにホールの中へ。そこには息を呑む美しい光景が待っていました。
深みのあるゴールドの装飾とワインレッドの客席が美しい曲線を描いて舞台を見下ろします。(ヴェルサイユ宮殿がナショナルカラーの青を多用しているのに対し、ガルニエ宮のテーマカラーはワインレッドだそうです)
そして特に目を引くのが天井。1964年に取り付けられたシャガールの絵画が、ホールに鮮やかさと新鮮な印象をもたらしています。ダンサーやオーケストラ、エッフェル塔や凱旋門など、シャガール本人がパリの風景から得た着想が壮大に表現されています。
この絵の1mくらい上に、元の天井もそのまま残っているとのこと。以前の状態ちょっと見てみたかった。
舞台は緞帳の手前に板がかかっていました。ガイドさんが「きっと今夜の公演の準備をしている」と励ましてくれました(笑)。どうか上演されますようにと、舞台に向かって拝みました。
ちなみに各座席には番号が割り振られていて、番号の下に小さな窓がついています。
ここに「ABONNE」と書かれている席は、定期購買で誰かが確保している指定席だそうです。オペラ座の1階席を定期購買なんて憧れます(笑)。
地下には怪人の池…?
ここまで豪華絢爛なオペラ・ガルニエ内部の様子をお伝えしましたが、私が最も衝撃を受けたのは、一般に観覧客が訪れることはない地下の様子です。
日本でも大人気のミュージカル「オペラ座の怪人」の舞台となったと言われるオペラ・ガルニエ。劇中ではヒロインのクリスティーヌが、怪人に連れられて地下の水路を渡り、彼の棲家へと誘われるシーンが描かれます。
「脚本が建物を忠実に描写しているとはいえ、大半は所詮フィクションだろう」と斜に構えていた私ですが、この地下に足を踏み入れた瞬間から「あ、これは怪人住んでたわ」と信じざるを得なかった(笑)くらいには、そこに広がる光景は印象的でした。
撮影NGなので具体的な説明ができませんが、端的に言うと、オペラ・ガルニエの地下には本当に湖があります。(「建築上の安定のため」らしいですが、なにがどう「安定」するのかはガイドさんも知らないとのこと笑)。そしてそこに、なにかがいます。
このツアーの数日後、ロンドンでミュージカル「オペラ座の怪人」を鑑賞しました。我ながら最高な旅程だったと感心します(笑)。
バレエを愛する方、パリ最盛期のきらびやかな建築を堪能したい方、オペラ座の怪人の存在を確認したい方…フランスに来たらぜひ訪れていただきたい、オペラ・ガルニエの紹介でした!